メキシコにあるダイムラー・トラックの生産拠点では、FlexQube社の自律移動ロボット（AMR）が約250メートルの距離を走行し、エンジントランスミッションラインへ部品を供給しています。しかし、従来のAMR運用には以下の課題が内在しており、フリートの稼働率最大化を妨げていました。
- ダウンタイムの発生：AMRは定期的に生産ラインから離脱し、個別の充電ステーションに戻る必要があり、この充電時間がフリートの稼働率を低下させていました。
- 工場スペースの占有： 独立した充電ステーションが工場内の貴重な床面積を占有し、生産レイアウトの柔軟性を制限していました。
ダイムラー・トラックは、これらの課題を抜本的に解決し、フリートの稼働率を最大化する新たな充電戦略を求めていました。
この課題に対し、ダイムラー・トラックは、FlexQubeおよびPohlConとの協業のもと、Wiferionの充電技術を核としたソリューションを導入しました
ダウンタイム・ゼロを実現する「インプロセス充電」とは？
「インプロセス充電」は、AMRの停車時間にワイヤレス充電を自動で行うことで、充電によるラインからの離脱を不要とする戦略です。
ダイムラー・トラックが導入したこのソリューションは、以下の要素を考慮して構成され、AMRは生産の流れを中断することなく、停車時間を有効活用して常時エネルギーを補給できるようになりました。
- 充電機会の特定： AMRが部品搬送の過程で3〜4分間停車する2箇所のロード/アンロードポイントを充電スポットとして定義。
- インフラの統合： PohlCon社製のワイヤレス充電保護システム（WCPS: Wireless Charging Protection System）を介し、Wiferionの充電パッドを床面に直接埋め込むことで、完全に平坦化。
- 自動給電：AMRが停止すると、非接触で自動的に充電。
Wiferionのインプロセス充電を導入することで得られた効果とは？
Wiferionのソリューションを導入することで、ダイムラー・トラックはダウンタイム・ゼロ、省スペース、メンテナンスコストの削減、そして安全性の向上を実現しました。
- ダウンタイム・ゼロ
充電による生産ラインからの離脱が一切不要となり、AMRフリートはエネルギーに起因するダウンタイムなく24時間体制で稼働し続けることが可能になりました。これはフリート効率を最大32%向上させる効果があります。 - 大幅な省スペース化
充電ステーションを設ける必要がなくなったため、その分の工場スペースが解放され、他の生産活動や物流スペースとして活用できるようになりました。 - 安全性向上
充電パッドが床下に埋め込まれているため、作業員の動線上に障害物がなくなり、現場の安全性が向上しました。
この事例についてPULS社Wiferion事業部の製品＆技術担当ディレクター、マシュー・エーバート（Matthieu Ebert）氏は
「インプロセス充電により、我々は新たなエネルギー効率の基盤を築いています。ダイムラーの事例は、緻密に統合された充電インフラがいかに強力であるかを示しています」とコメントしています。
当社の誘導充電システムにご興味をお持ちですか？あるいはWCPSやダイムラー・トラックに関するご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください！
Recent Posts
